緑×黄

9/9

1485人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
めっちゃ弄ばれた気分。 「ねぇ、なんでエースが泣きそうなん?」 指を摩りながら、俺の方を覗き込むジョニーに、泣いてない!と睨み返した。 するとジョニーはゆっくりと俺の頬を両手で包んで妖しく微笑んだ。 「触んな」 「なんで?」 「お前何するかわからん、ほんま嫌や」 「んー、かわいいなぁって思っただけやで?」 また可愛いだなんて、バカにすんなと言い返そうとすると、グイッと腰を引き寄せられた。 「ねぇ、かわいいで、ほんまに」 至近距離で、吐息のように呟かれたその言葉に、怒りと恥ずかしさで目眩がした。 近い、顔が、近い、… 「ちょ、ジョニー、近っ…」 「エース、ごめん、」 一瞬の出来事。 俺の唇にジョニーの唇が重なって、ゆっくりと離れた。 目の前がチカチカする。 天井がグルグル回っている気がする。 「………」 「奪っちゃった」 チカチカの中で笑顔のジョニーが見える。 俺は迷わず、目の前の股間にゲンコツを振り下ろした。 END
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1485人が本棚に入れています
本棚に追加