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「たかが紙切れに、たいそう豪華な箱やな」
両腕にのし掛かる途轍もない重量に、片足ずつゆっくりと前に出す。
腰悪なるわ。
「あー、あかんあかん」
グッと箱を持ち直して前を向くと、ちょうど全員始末したのだろう、アーセナルが入って来た。
「おっ、片付いたんか」
「あぁ……ってお前、何してんねん」
渋い顔でこっちを見たアーセナルは、両手に持っていたリボルバーを腰にかけた。
「何って…これが例の誓約書…が、入ってる金庫」
「…中身だけ持って帰れや」
明らか、お前バカなん?みたいな顔で俺を見てくるアーセナル。
「それが出来てたら苦労せんわ!鍵開かんねん。持ってみろや!」
持ってた金庫をグイッとアーセナルに押し付ければ「うわ、」とか言いながら、
アーセナルはそれを受け止めて、歯を食いしばった。
それもそうだ。アーセナル俺より華奢やもん。
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