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「な?」
「ほ、ほんまやな…」
箱を支えてなんとか立っている状態のアーセナルを笑うと、アーセナルはムッとした。
「すまんすまん、代わるわ」
そう言ってアーセナルの方に手を伸ばした。
しかしアーセナルの目が急に殺気立って、ハッとした。
自分の背後から人の気配。
「…運がいいやつもおるもんやな」
アーセナルを前にして生き残るのはまず不可能やから、どこかに隠れてた奴だろう。
『その金庫を離せ!』
急に叫ぶもんだから、ゆっくりと振り向けば見覚えのある顔。
「お前は…」
一番に逃げ出したはずの臆病者。
やっぱり自分の資産は手放したくなくて戻ってきたってところか。
『その箱をそこに置け!』
「…嫌だと言ったら」
『お、お前らを殺す…!』
そう言って目の前に向けられたのは真新しげなピストル。
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