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必死な顔をして構えた銃口は体の震えからブレて、俺らの方向に上手く向かない。
こいつ…銃使うのは初めてか。
「そんな物騒な物おさめようや」
『く、来るな!本当に撃つぞ!』
この手のタイプは、変に刺激すると乱心して銃振り回したりするから面倒臭い。
「…アーセナル」
“ 行くぞ ” と目で合図を送ると、アーセナルは頷いて一歩足を踏み出した。
『う、動くなぁあ!!』
パンッという鈍い音と共に向けられた銃口から放たれた弾丸は俺の横を通り過ぎて。
アーセナルの右頬をかすった。
「おまえ…!」
衝撃と持っている荷の重さに一瞬よろめいたアーセナルは、左足で踏ん張って。
思いっきりそいつを睨みつけた。
「…自分良い度胸やん」
アーセナルのスイッチが入った気がした。
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