1485人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
アーセナルもやられるとやり返す質やから、一度怒らせると面倒臭い。
「アーセナル、ここは俺が始末しとくから、それ持って車戻っとけ」
いつもはすぐ銃を抜くアーセナルも、今日は生憎両手が塞がってる。
丁度いい。
暴れる前に先に車に帰らせれば…。
「…俺が殺る」
「あかん。先車行っとけ」
「でもこいつ」
「えーから、な?」
背中を軽くポンと叩けば、アーセナルは不機嫌そうな顔をしてゆっくり歩き出した。
『う、動くな!止まれ!!』
「お前の相手は俺や」
右ポケットから隠し持っていたナイフを取り出す。
でも当の本人は目の前の刃物に目もくれず、鉄の箱に執着心を剥き出したまま。
『だ、黙れ!あれには俺の人生がかかってるんだ!盗まれてたまるか!』
「盗まれるて…」
「……マック、先行くで」
呆れる発言に苦笑いを漏らしていると、そいつの銃口がアーセナルに向けられた。
『と、止まれ!殺してやる!俺は本気だぞ…!』
…こいつ、本気で指に力が入り始めてる。
やばい…!
「アーセナル…!」
「…あ?」
アーセナルが振り向いた瞬間、男の体に力が入るのが見えた。
.
最初のコメントを投稿しよう!