橙×赤

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アーセナルもやられるとやり返す質やから、一度怒らせると面倒臭い。 「アーセナル、ここは俺が始末しとくから、それ持って車戻っとけ」 いつもはすぐ銃を抜くアーセナルも、今日は生憎両手が塞がってる。 丁度いい。 暴れる前に先に車に帰らせれば…。 「…俺が殺る」 「あかん。先車行っとけ」 「でもこいつ」 「えーから、な?」 背中を軽くポンと叩けば、アーセナルは不機嫌そうな顔をしてゆっくり歩き出した。 『う、動くな!止まれ!!』 「お前の相手は俺や」 右ポケットから隠し持っていたナイフを取り出す。 でも当の本人は目の前の刃物に目もくれず、鉄の箱に執着心を剥き出したまま。 『だ、黙れ!あれには俺の人生がかかってるんだ!盗まれてたまるか!』 「盗まれるて…」 「……マック、先行くで」 呆れる発言に苦笑いを漏らしていると、そいつの銃口がアーセナルに向けられた。 『と、止まれ!殺してやる!俺は本気だぞ…!』 …こいつ、本気で指に力が入り始めてる。 やばい…! 「アーセナル…!」 「…あ?」 アーセナルが振り向いた瞬間、男の体に力が入るのが見えた。 .
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