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「…どいて」
「ッチ、何やねん」
「舌打ちせんとって」
やっぱりこいつは俺の反応が気に入らなかったらしい。一目で取れる不機嫌さ。
まぁ、ごめんなんて謝ってやるほど俺も素直ではないし。
ぷいっと顔を背けて、矢を手に取ってダーツ台の正面に立った。
「何やジョニーもエースも不機嫌やなぁ~」
ケラケラと笑うガム。
「別に、そんなことないよ。俺は。」
あ…、今の“俺は”の強調、めっちゃ腹立つ。
何やねん自分は余裕です、みたいな。
「くそっ!」
掴んでいた矢を力任せに連続で投げると、見事に全部大はずれ。
「…お前どうしてん急に」
呆れた顔でアーセナルが俺を見るから、
「ーっ、なんか口が寂しいくてイライラしてるだけや!」
適当な嘘でその場を流した。
アーセナルはアーセナルで、興味なさげにリボルバーにまた目を移した。
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