緑×黄

3/14

1485人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
「…どいて」 「ッチ、何やねん」 「舌打ちせんとって」 やっぱりこいつは俺の反応が気に入らなかったらしい。一目で取れる不機嫌さ。 まぁ、ごめんなんて謝ってやるほど俺も素直ではないし。 ぷいっと顔を背けて、矢を手に取ってダーツ台の正面に立った。 「何やジョニーもエースも不機嫌やなぁ~」 ケラケラと笑うガム。 「別に、そんなことないよ。俺は。」 あ…、今の“俺は”の強調、めっちゃ腹立つ。 何やねん自分は余裕です、みたいな。 「くそっ!」 掴んでいた矢を力任せに連続で投げると、見事に全部大はずれ。 「…お前どうしてん急に」 呆れた顔でアーセナルが俺を見るから、 「ーっ、なんか口が寂しいくてイライラしてるだけや!」 適当な嘘でその場を流した。 アーセナルはアーセナルで、興味なさげにリボルバーにまた目を移した。 .
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1485人が本棚に入れています
本棚に追加