緑×黄

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なんやねん…! 俺にばっかりちょっかいかけて、本命のジャッキーにはアピールの一つもせん…。 そんなジョニーに腹が立って仕方ない。 いや、理由はそんな簡単なもんやないのかもしれないけど…。 俺がお手軽な存在に考えられているのかも…。 っていうジャッキーに対する態度と、俺への態度の差への嫉妬すら芽生えてきた。 考えたくないけど…。 「っ…ー!」 「ほら、逃げへんの?」 楽しそうに数を数えるジョニーの下で、俺はゆっくりと力を緩めた。 「あれれ?諦めた?」 「……うっさい」 「俺、エースに何かしちゃうよ?」 「…………………」 毎度ジャッキーを見つめる寂しそうなジョニーを見逃せない自分がいるのは事実で……悔しい…。 いつからこんなに情が深くなってしまったのだろう。 「んふ、エースでも同情してくれるんや?」 「…ちゃうし、」 「そ?…まぁ、ええけど」 そう言ってまたお前は続きを数え始めるんだ。 3…2…1…、 「……ゼロ。タイム、オーバー」 自分が何を考えているのかわからない。 俺は、静かに塞がれる唇を受け入れてしまう。 END
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