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「何?ほんまに諦めたん?」
普段ならギャーギャー怒鳴り散らす彼が、自分に組み敷かれたまま驚く程静かだ。
「…別に、そんなんやないし」
「でも逃げないってことは、俺に何かされても文句ないってことやろ?」
お前こそデリカシーないねん、ってボソッと呟いたエース。
これはイエスと取ってもいいのだろうか。
「え…、マジでエース俺に抱かれちゃうよ?」
言うてもあのエースや。
そう易々と俺の魂胆、否、遊びに答えてくる程アホではないはず。
エースも俺をからかって遊んでいるのだろう。
「……ええよ、別に」
「は…?」
「だからっ…」
自分の体の下から聞こえる普段とは正反対の小さな声が、
ありえない言葉を発している。
「本気?」
「何やねん!お前が先に手出してきたんやんか!」
「だってエースは逃げると思ったし」
想像していなかった展開に、柄にもなく焦ったりして。
一度エースの上から起き上がった。
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