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静かに歩み寄って、壁際にいたアーセナルに迫る。
ーーーーダンッ
壁と俺の間に挟まれたアーセナルの横に派手な音を立てて叩きつけた右手。
「…なにそれ」
「別に、経験からの優しいアドバイスやけど?」
アーセナルの視線は未だに俺の瞳孔に鋭く刺さる。
「あいつは俺らとはちゃうねん。まだ汚れてへんねん」
一層睨むような眼差しに目の奥がギラギラと光っている。
「俺らって。まぁ、…そうやんな。寂しいだけでヤれるアーセナルと、エースは違うわ」
「……喧嘩売ってんのか?」
「はは、喧嘩?」
“ 慰めて欲しいの間違いやろ ”
そう吐き捨てるとアーセナルの顎を持ち上げてそのまま、口を塞いだ。
嗚呼、やっぱりや。
この身体が熱くなる感覚。
まだ俺は過去の過ちにすがりついたままや。
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