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それでも自然と開いていく口からは声を漏らしてしまいそうで、力む場所を失った俺はジョニーの手を力任せに握り返した。
ジョニーは少し驚いた様な顔をして、
それからほんの少し顔を歪めた。
「…ねぇ、エース」
「ええから、手、離せ、」
「なんで、そんなことするの?ええの?」
それはこっちのセリフや!と言い返すために首をグっと持ち上げてジョニーの方を見る。
「ちょっと、今こっち見んといて!」
「はあ?」
そのままゴチッと後頭部に頭突きをされて、壁におでこを強くぶつけた。
「ふざけんな!ええ加減にせぇよ!」
「こっちのセリフやて、」
ジョニーの手にまた力が入り、そのまま二人揃って床にずるずると座りこんだ。
その瞬間ふわっと手首と背中が軽くなったが、そのかわり、肩にずっしりとした重みを感じた。
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