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今日こそは。
今日こそ必ず…
決意したように目を閉じる。
静まり帰った風呂場に、
息と脈打つ音だけが
耳に入ってくる。
前まであった恐怖と不安。
自然と消えて
今は落ち着いていた。
強く目蓋を閉じ、
手に持つナイフに力を込めて、
ソッと喉に突き刺した。
痛みは無いが熱い。
不思議なことに、
妙に冷静だった。
脈拍があがって
いくのがわかる。
流れる汗と血が混ざりあい
身体をつたっている。
少しずつ意識が遠くなっていった。
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