2/3
前へ
/46ページ
次へ
蝉が五月蠅いぐらい鳴きまくってる中、暑い理科室であいつは俺の口を貪った。 熱くとろけそうだと思った。 乱れていく息。 熱い舌。 掴まれた頭と手は熱くって。 瞳に映るあいつは教室では考えれない程、艶やかで色っぽかった。 「…っ…おい」 「…っ…ん、何?」 コイツはいきなりキスを止めて濡れた唇を拭った。俺はなんとか息を整えながら奴を睨みつけた。 「目開けたまますんなよ…いい趣味してんな」 「べっ、別にいいだろ!ってか…お前がいきなりするから」 俺は乱暴に唇を拭い携帯を見た。そろそろ部活動が終わる時間だった。 「携帯貸せ」 「は?」 奴は俺から携帯を奪うと素早く携帯をいじりはじめた。まるで女子高生みたいに素早い動きに俺は呆然と眺めた。 綺麗な細長い指はまるで指揮者みたいだ。 「手フェチかよ?」 「あ?…まぁ」 奴は自慢げに手を見せつけながら携帯を俺に渡した。 「俺の番号いれといた」 「え」 「お互い必要だろ」 何のためになんて聞かなくても分かった。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加