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蝉が五月蠅いぐらい鳴きまくってる中、暑い理科室であいつは俺の口を貪った。
熱くとろけそうだと思った。
乱れていく息。
熱い舌。
掴まれた頭と手は熱くって。
瞳に映るあいつは教室では考えれない程、艶やかで色っぽかった。
「…っ…おい」
「…っ…ん、何?」
コイツはいきなりキスを止めて濡れた唇を拭った。俺はなんとか息を整えながら奴を睨みつけた。
「目開けたまますんなよ…いい趣味してんな」
「べっ、別にいいだろ!ってか…お前がいきなりするから」
俺は乱暴に唇を拭い携帯を見た。そろそろ部活動が終わる時間だった。
「携帯貸せ」
「は?」
奴は俺から携帯を奪うと素早く携帯をいじりはじめた。まるで女子高生みたいに素早い動きに俺は呆然と眺めた。
綺麗な細長い指はまるで指揮者みたいだ。
「手フェチかよ?」
「あ?…まぁ」
奴は自慢げに手を見せつけながら携帯を俺に渡した。
「俺の番号いれといた」
「え」
「お互い必要だろ」
何のためになんて聞かなくても分かった。
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