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寒々しい空気の中、飲み屋が集まった道はキラキラと明かりが光っていた。 俺は携帯のメールと店の看板を確認した。 同窓会の会場はこの居酒屋らしく、高校の名前が書かれた文字を見つめて扉を開けた。 「いらっしゃいませ」 「あ、楠田高校卒業生の同窓会なんだけど…」 「はい、こちらになります」 当たり前のように案内された部屋を覗くと卒業生達が集まって、もうできあがってた。 二十六歳の同窓会。それは羽を伸ばしたガキだ。 「藤崎!おせーよ!」 「あぁ、悪い」 開始時間に遅れた理由は仕事だった。カフェに勤めてる俺はさっきまで店で働いていてくたくただった。 席を促されて店員に飲み物を頼むとコートを脱いだ。目の前には唐揚げやらサラダがあって、なんだか乗り遅れた俺はぼんやりビールを待った。 「おい、皿取ってくれよ。ほれ、藤崎箸と皿」 「あ、ありがと。学級委員長は気がきくな」 隣に座ってテキパキと動いたのは学級委員長の谷だった。黒縁眼鏡に人が良さそうなこいつは相変わらず変わらない。 「仕事お疲れ」 店員が持ってきたビールを渡してきた谷は軽く俺と乾杯した。
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