坂道

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悟くんは、俺に背中を向けたまま 小さい声で、 ポツリポツリと話した。 華奢だけど男らしい、悟くんそのもののような背中…。 「彰クン 今まで 仲良くしてくれて ありがとね。嬉しかった」 「悟くん…」 …好きだったよ… 心の中で 呟いた。 「俺のほうこそ ありがと」 三年間、想い続けて、やっぱり 言えなかった。 ま、言われたところで悟くんも困るよね。 熱くなる目頭をキュッと押さえて、俺は 顔を上げた。 振り向いた悟くんの目が、少し赤く見えたのは… 気のせいだよね…。
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