月下に飢える(アルケイン)

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「アルケイン様」 「わ、見つかった」 「見つかった、じゃないですって。なに木陰でワイン飲んでんすかコノヤロウ」 「いっ痛い痛い痛い痛いよ!!!スコップは人の頭を刺すものじゃないよ!?」 「だって死なないじゃないですか」 「痛いものは痛いんだよ!!!」 「はいはい。でもアンタが悪いんですよ、人に葡萄畑耕せって言っといて自分はワイン飲んでるから」 「ほら、休憩も必要じゃない?」 「………………」 「あうっ!!?無言でスコップ投げないで!!!」 「はぁー……もう、知らねっすよ」 「あれ、もう終わり?」 「言われてた分は耕してあるから、葡萄の苗木でもワインボトルでも好きに植えてください」 「ワインボトルを植えてワインが増えたら嬉しいね!!」 「その思考、かなり重症っすよ」 「どこに行くんだい?」 「ドラゴン」 「ドラゴン?」 「出てるらしいじゃないですか、サルファ渓谷に」 「あぁ、そうらしいね」 「討伐してこようと思って」 「かなりの数がいると聞いたけど、1人で行く気かい?」 「どうせ他の隊とかマギアの奴らとかもいるんでしょ、大したことないですって」 「ふむ……まぁ、それもそうだね。気を付けて行っておいで」 「気を付けて?」 「怪我をしないようにね」 「──…ハッ、そんなの、する訳ないですよ」 「うん、でも一応ね。ほら、僕は君の直属の上司だから」 「上司ね……そう言われるとなんかムカつくな」 「なんならご主人様って呼んでくれても構わないんだよ?」 「さっさとワイン飲んで100年くらい酔い潰れろこの白茄子が」 「ヒドイ!!!」 分かってたけど、多分、この人馬鹿だ。  
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