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「あ、隊長さんだ」
「君か。……なんだ、隊長さんとは?」
「いやね、ほら、このオルガ解放戦線の隊長でしょ?だからっすよ」
「そんな大層なものじゃない。俺はただ…」
「あのさ」
「ん?」
「仮にも何でも人を束ねる人が、そんな事言っちゃ駄目でしょ。人がいなくなる」
「え……」
「リーダーなんてものは、偉そうにツンツンしてて、たまーにデレればいいんすよ。隊長さんって気弱過ぎ、張りすぎの時もあるけど」
「デレ……そうだな、俺はまだこの立場になって日が浅い。お前みたいにはっきり言ってもらえると勉強になる」
「……別に、思ったことを言っただけですよ」
「いや、お前はラッキーソルジャーだからな。だからアルケインもお前を頼りにしているんじゃないか」
「頼り……?…どうですかね、それは」
「?」
「そういえばアルケイン様がドラゴン退治ついでに友達がいないか探して来るって言ったっきり帰って来ないんですけど、知りません?」
「それなら、そろそろオルガの皆が集まる予定だから来るんじゃないか?」
「そうですか、じゃあ、探してみます」
「あぁ。…なぁ」
「はい?」
「感謝する」
「──…しなくていいですよ。私、アンタの味方じゃないっすから」
「…そうか」
「オルガに来た時に言った筈ですよ。私は、アルケイン様の為に戦うだけだ、って」
ふと空を見たら、アルケイン様がドラゴンにくわえられて飛んでいた。何してんだろうあの人は…
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