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一方、勝手場。
井上さんは二人の包丁捌きを見て思いました。
…差が…天地並に差がありすぎやしないか?
沙依、不登校の間、和食の基本から惣菜、小技まで祖母や老舗の料理長から習ってましたからもうプロです。
土方はかなり野菜が可哀想な切り方になっていました。
「…鬼には常識ないのか…」
土方が鍋に林檎と馬鈴薯を…皮は辛うじて剥いてあるが明らかに二回りくらいは小さい塊が投入された。
この人は料理をなんだと思ってるんだよ…
下味を付けずに魚焼く人はじめて見た。
なんとなく、言い出しっぺだけど後で胃腸薬山崎に煎じてもらおうと誓ったのでした。
夕餉
はじめは土方特製鍋。
山南さんは匂いを嗅いだ途端、「私は遠慮します」と辞退した。
沖田と平助は中身を見た途端、「僕ちょっと沙依の膳運ぶの手伝ってくるね」
「お、俺も!!」
と実質上、逃げた。
斎藤は無言で退出し、
原田は山南さんの後を追い、
山崎は姿を消し、
井上さんは勝手場に戻って、
永倉は厠に直行した。
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