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ー管理局地上本部留置場ー
ジメジメとした空気、どっかの誰かがぶちまけた吐瀉物の匂い
ユウはそういった匂いと空気が大の苦手だが、とんでもない自制心と忍耐力で顔には出していない
『ユウ』
「……んだよ、メイヴ」
『ホントにゴメン……』
未だにバインドでがんじがらめのユウとメイヴ、それゆえに留置場の中にデバイスとともに居れるのだ
チカチカとクリスタルが光り、メイヴはユウとコミュニケーションをはかるが、ユウがあまり取り合わず
ほぼ完全にスルーを決め込んでいた
『……ゴメンてばぁ…ユウ』
「………」
『ううう……ゴメンって言ってるでしょぉ………』
「ゴメン、と言えば俺が許すと思ってんのか?馬鹿だしね」
『何よ!!ユウの偏屈!!!!』
「あ゛?」
『……ゴメンなさい』
流石にメイヴの荒唐無稽っぷりに付き合ってきたユウでも、今回の件では頭にキタらしい
メイヴにとって、こんなにユウがキレたのは初めてであり、対処が分からず、泣き出す一歩手前である
『……ユウぅ~』
「メイヴ、待機状態に戻れ」
『へっ…?』
「いい加減、このバインドは辛い、お前もそうだろう?」
『…うん』
肩の鎧、鞘を掴むフレキシブルアーム、鞘の装甲が光りになり中に舞う
雪風と鞘はそのまま残る
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