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「だからといって、我がユウが首を縦に振るとお思いか?」
いきなりメイヴが喋り出し、ユウと男は目を見張った、キャッキャッした女性の風貌から、キリッとしたぬめりある輝きを放つ刀のような感じ
正に654年の貫禄が此処にあり、といったところ
「デバイスの君がマスターである彼を理解しているのは解るが、君が口出す事ではないだろう?」
男は始めて嫌な感情を表に出した、知り合って10分も経っていないが、この表情が彼の珍しい表情なんだとユウは理解した
ユウはそういうところだけは聡いのだ
「私をたかがデバイス?よう言うたな、こわっぱ、ユウの'過去'を知った程度でもう黒幕気分かや?」
「そうか、では貴女をデバイスではなく、一個人として認識しましょう」
酷く罵られたのにも関わらず、男は紳士然とした雰囲気で謝罪した
が、'スイッチ'の入ったメイヴがその程度で止まらない事をユウは知っていた
「その認識ではたらぬのぉ、我を誰と心得ておるかの?654年という年月はそれほど人間の認識を擦り減らすかとはの……、ならば聞けい、こわっぱ…!!」
いきなりメイヴは檻を蹴破る、ちょっとした思い付き、といった風に、総重量500kg以上の鉄塊を軽く、ぱかーんと
檻は男を奇跡的に避け、真後ろの壁に突き刺さる
「我が名はメイヴ!!!!古きベルカの暗黒騎士クイーンメイヴを知らぬかやッッ!!!!」
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