テラー/誰かの思い

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「奪われた為に少ししか調査できなかったが、『ラーマヤマ』はアカシックレコードに記憶されている'全ての兵器'をこの基底現実にダウンロード出来る代物だ」 「特一級の危険物だしね、ヤバいんじゃないか?」 「それがラーマヤマ自体が未だ完全ではなくてね、せいぜいダウンロード出来てデバイス程度さ」 疑問に感じたのか、メイヴは怪訝そうに男に聞く 「少ししか調査してない割にはよく分かるのぉ」 「知り合いに未来予知が出来る奴が居るのでね、事の概要ぐらいは理解してるのさ」 未来予知、確か古代ベルカの遺伝的能力だったような気がするが えらく特殊な方々と面識が有るものだ、とユウは感心していた メイヴは未だに怪訝そうだが 「しかし、'完全'な状態のラーマヤマは全てをダウンロード出来る、危うく世界を滅亡させかねない代物がポンポン出されてしまう」 「だからといって、ユウを使う意図が知れぬのぉ?」 「たくさん人が死ぬ」 男はたった一言呟いた、シンプルな言葉であり、一番ユウの心に響いていた 身近に死を感じていたユウにとっては'正し過ぎる'言葉に心が動いた 怒りの方向に 「たくさん人が死ぬ?それがどうかしたか?顔も知らない奴らが死んで、あんたは守れなかったと悲しむのか?だったらとんだ人格者だな」
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