78人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「ん?ああ、えーと、これ」
一般的に美少女と言われ顔立ちをした彼女、ユウにとってはほぼ初めての人種
焦ってしまい、書類をすんなり渡す、それとも渡してしまっても良い感じな雰囲気だったからか
「んー?んんー?」
凝視、文字は解るけど意味は解んない、と言無しげに醸し出す
頭はそれほど良くないらしい、ベタな娘である
「俺はBランクになれないって書いてんだ」
「へっ、何で……?」
すっ、と右手で左腕が在るべき場所を指す、『見ればわかるだろ?』と表しているのだ
ただ単に、ユウは言うのがめんどくさいだけだったのだが、彼女にはそう感じられなかったのか
「わっ!!あ、いや、へぁ、うわ、ご、ごめんなさい!!」
「良いですから、テンパらないで下さい」
「ああ、そうですか」
落ち着くのが早い、切り替えが早いのは元気がいっぱいな証拠
「あ、私、スバル、スバル・ナカジマです、よろしくお願いします!」
「ユウ、ユウ・アリサカだ、よろしくお願いしますよ」
「ユウ……さん?」
「ユウで良いよ、さんを付けられるのは苦手だし、しかも局員じゃねーしね」
「一般の人ですか…?」
「そ、魔導ランク持ってたら色々と就職いーしね」
「確かにそうですね」
顔には出なかったが、声色に何かイライラとした感情が見え隠れする
就職程度に魔導ランクをBまで取るのか?と、思われているのだろう
最初のコメントを投稿しよう!