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しかし、試験時間まで暇なユウ、仕方なく暇つぶしを実行するはめになる
右の眼球、裂傷により破裂し既に失われて久しいが、未だに視神経は存在しており
「メイヴ、VRサイトをリンクさせろ」
『了解しますよ、はいはいっと』
見えないはずの右目に映像が写る、各種地形ステータスに破壊すべきターゲットの場所まで表示されている
「最大望遠、スナイプゲーム開始、あー、前の得点っていくらだった?」
『13700点、第6ステージまで進みましたね』
「そうだったなー、最後ら辺で連続ミスやらかしたしなぁ、難しいしね」
『ユウが下手なだけです、この下手くそ』
「二度も言わんでいい、むかつくしね」
『そうですか、ではスター……ん?』
右目にスタートの文字が浮かんだままフリーズ、メイヴが止めたのだ
「メイヴ?」
『11時方向、市街地、手前のビル』
「はぁ?」
『望遠します、確認して』
右目に写される映像、銀行ビル、派手にぶっ壊され、中から数人の魔導士が飛び出す
誰がどう見た所で、これは銀行強盗だろう、そこはかとなく鈍いユウでもわかる事だ
『ユウ』
「あー?どうしろってんだよ、今から試験があるんだぜー?しかも10km先だぜ、遠いしね」
『……ユウ、'お姉ちゃん'、が何時も言ってる事わかってるよね?』
完全なる沈黙、怒気が雰囲気で伝わり、ユウはメイヴの恐さはわかっているから、どうなるかを考えると肝が冷える
「………だぁ、もう、わーったよぉー、やりゃぁ良いんだろぉ?……だるいしね」
『それでこそ、私のユウだよ』
「へいへい」
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