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「でも今日は、そんな思い出塗りかえちゃうぐらい楽しむつもりだよ。」
そう言った桜に、椿が反応してきた。
「おおう!
楽しみすぎて、今回企画したオレに泣いて感謝するぐらい楽しませたるわ!」
「桜泣かしたらうちが逆に椿きゅん泣かすから♪」
「うお、笑顔で何気に怖いセリフ吐いてはるねんけどこの人!!」
ビビる椿に
あははは、と笑う桜。
やっぱり桜には笑顔が一番似合う。
安心した僕も椿に絡んでいき、終点に近づくにつれて電車の中の4人は賑やかになっていった。
そして京都駅到着。
さすがクリスマス、降りる人の量が半端じゃない。
人混みの中で僕たちは離れないように気をつけながら前へと進んで行った。
「あ、すいません。」
と、後ろから声が聞こえたので進みながら振り向いて見ると、桜が両手に大きな紙袋を持った女性に向かって「大丈夫ですよ。」と言っていた。
どうやら桜と女の人がぶつかったようだ。
全く、人が多すぎる!
そして人混みから脱出した僕たちは買い物をするために専門店街へと歩いて行った。
「しっかし人多かったなあ。
いつもの倍はいたんちゃうか。」と、椿。
「ホント、人にぶつかりまくったよ。」と、僕も不満を漏らした。
しかし、ぶーたれた男子勢はそっちのけで、女子勢はショッピングの話に夢中になっていた。
「楓ちゃん、今日は何買うの?」
「ちょっと上に羽織れるものがほしいんだけど、まだライトアップまで2時間ぐらいあるしゆっくり見て回ろうと思ってる!
桜はなにかある?」
「アクセサリー類かなあ。
でも私も見て回って決めるよ。」
「じゃあじゃあまずは……」
と、桜と楓はスタスタと歩いて行った。
僕と椿は顔を見合わせると、急いで二人を追いかけた。
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