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「買った買った~!大満足!
荷物持ちありがと椿きゅん♪」
ライトアップ15分前になり、ショッピングを終了した僕と椿は両手いっぱいに紙袋を下げていた。
「柳くん、大丈夫?
私も持とうか?」
「いやいや大丈夫だよ!
HAHAHA!」
とは言ったものの、
となりの椿に囁く。
「椿さん、これめっちゃ重いんですけど!
両手ちぎれそうなんですけどー!」
「言うな、柳!
何も言うな!
これが男の宿命や!!」
と、僕たちは男のプライドを誇り高く守り続けた。
「あれ?」
と、桜が突然歩くのを止めて、バッグの中身をガサゴソと探しはじめた。
「どうしたの?」
「えっと、編みぐるみのストラップが見当たらなくて……。」
と、言いながらも桜はバッグの中を探しつづける。
「編みぐるみって、あの……。」
「うん。お母さんに作ってもらったやつ。
あれ、ないなあ……。」
中身を全部取り出してみても見当たらない。
「もしかして、どっかで落としたんちゃうか?」
「そうかも……。」
「電車で僕たちが話しているときはあったから、失くしたとしたらその後だよね?
あの人混みのせいでストラップの糸が切れちゃったのかも。」
「じ、じゃあさ、早く探しに行こう!
こういうのは早い方がいいよ!」
「そうや、楓たんの言うとおり!
走るでみんな~!」
と、僕たちは急いでさっきのプラットフォームに行ったのだが。
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