赤の印

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 とある国、蒸した空気の漂うこの国に、一人の王がいた。  王はセカイに絶望していた。  争いは絶えず、金に塗れたセカイは、豪華絢爛たる生活の王から見ても、濁っていた。  それに、王は自分にも絶望していた。  王族に生まれたからと言って、流れる様に玉座についた自分に絶望していた。 (ああ……なんと濁っているのでしょう、私とこのセカイは)  王は今にも死んでしまいたい気持ちで一杯だった。
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