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由佳の強い眼差し、強い口調。
それは、美しき母親と恐ろしい程似ていたため、光は口を真一文字に結びながら思った。
――友達思いな発言をする所、亜理紗さんにソックリ。
イイ女になってきたなぁ・・・
由佳の成長を喜びながらも、外の顔は険しくさせたままだった。
「忠告したからね。それでも仲良くしたいなら、由佳の好きにすればいいわ」
冷たく突き放すかのように発言する。
これも由佳のため、と光は思いながら高速道路を降り、学校までの往路に車を乗せた。
「気をつけて行ってらっしゃい」
「・・・行ってきます」
学校の近くに到着すると、光は冷たい表情のまま、由佳も難しい表情のまま、互いに別れた。
由佳の姿が見えなくなると、光の口元はみるみるうちに緩んでいき、最終的には気持ち悪い程にんまりした笑みを浮かべていた。
「いやぁー、うん!いい傾向だよ!
これは、亜理紗さんに報告しないとだなぁっ♪」
クスクスと楽しそうに笑いながら、ハンドルを切り、ふじみ野にあるマンションへ向かった。
光が一人にんまりしていることを知らない由佳といえば。
下駄箱で上履きに履き替えながら、内心で文句を垂れていた。
――なんで、あんな酷いこと言うんだろう。
光は、七海ちゃんのこと何も知らないのに!
それに、勝手に調べるなんて酷い!
下駄箱の扉を乱暴に閉めながら、四階にある教室へ向かった。
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