終わりと始まり

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終わりと始まり

遅い… 遅い、遅いっ!!! 俺…松河葎祈 (マツカワリッキ)が、待ち合わせ場所に来て最早2時間5分…。 待ち合わせ時刻からだと、もう2時間になる。 俺は イライラと指を噛んだ。 凍矢(トウヤ)が時間を守らないのは、何時もの事だけど…。 不安 なのは… 自分の彼氏(だと思う…)凍矢が かなりモテるからだ…。 俺はケータイを手に取ると、もう5回目になる電話をかけた。 『もしもし…』 「もしもし…お前…今何処いんの?…もう2時間待ってるんだけど?」 『あれ…。今日お前と約束してたっけ?』 こんな奴…なんで好きになったんだろ? 「お前…。まぁいいや…、今何処?」 『『先輩…?』…ん?なんでもねぇよ。…』 電話ごしに 聞こえた 高く掠れた声に 、少し不安になる。 こうゆう 事は 何度かあった。 そうゆう現場を目撃した事だってある。でも…っ。 『悪りぃ…りっき。今日は無理だ。じゃあまたなっ…、ブチッ、ツー、ツー、ツー、ツー』 一方的に 切られた電話を地面に投げ付けた…。 マジで…腹立つ。 誰にでもなく… それでも お前を 信じていたかった 自分自身に。 今日 だけは 、来てくれると思ってた。 こんな浮気ばっかな奴だけど… 一応 俺達 付き合ってるって…。 …でも 違ったみたい。 勝手な勘違いだった。 今日は 特別な日… お前の 誕生日だろ? 結局…。お前は、俺ではなくて… 今 隣に居る その子の方が 特別だったんだな。 …そう 思ったら悲しくなって 、何度もケータイを 叩き付けた。   
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