4人が本棚に入れています
本棚に追加
「今朝のお前の歌!
ビックリしたぜぇ俺は!
もう他のメンバーも集まってるんだ!
やって…くれるよな…?」
ミノルはまだ信じられずにいた。
自分が、
ただの雑用係の自分が、
音楽部の中のバンドにボーカルとして誘われるなんて夢にもおもわなかったからだ。
ミノルは込み上げてくる高揚を抑え込むのに必死だった。
ふるふると震えるミノルを見て、ケイタは
「やってくれないか…」
と少々諦めかけたような口調で言った。
だが、ミノルはケイタの手をガシッと握りしめ、
「ケイタ!!
ありがとう!!!!
僕やるよ!!」
と跳び跳ねた。
ケイタは内心驚いていた。
ミノルが引き受けてくれたこともそうだが、
何よりミノルの空前絶後にも思えるこの喜びようを見たのが初めてだったからだ。
「じゃあ…準備出来たら、演奏ROOM(3)に来てくれ!
みんな待ってるからな!」
そう言いながらケイタは足早に楽器ROOMを後にした。
ミノルはしばらく呆然と立ち尽くし、
「よっしゃあ!!」
と拳を天高くかかげた。
そしてじっくりと体を暖め、ストレッチもし、声の調子も整え終わると、ミノルは演奏ROOM(3)へと足を進めた。
演奏ROOM(3)の前でミノルは深呼吸をして、
「失礼します…」
ドアを開けた。
最初のコメントを投稿しよう!