Lorelei

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ある青年がいる。 歳は17歳ほど。 紺色のパーカーを来て、この街の大通りを歩いている。 青年はふと、何かを耳にした。 何か…楽器の音。 柔らかい。 深みがあって、夕暮れを想わせる、音。 青年の足は知らないうちに音の方へと歩き出した。 少しウロウロして、着いた。 音が出ている場所。 「ここは…教会?」 立派な鋭角の屋根を持ち、十字架が掛けられていた。 ここから聴こえる。 青年は躊躇なく教会へ足を踏み入れた。 音の方音の方へと足を進め、ある部屋の前に来た。 高い背の木の扉だ。 今までよりずっと鮮明に音は聴こえる。 「生きているみたい…まるで音達が一斉にダンスを踊っているみたいだ。」 青年はいてもたってもいられなくなり、扉を開けた………
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