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翌日、ミノルは朝早くに用意を済ませ、学校に向かった。
ミノルは私立の高校に通い、音楽部に所属していた。
この学校の音楽部とは、ギターから吹奏楽で用いられる楽器、ピアノ、ドラムと多種多様な楽器に触れ、音楽を楽しむ部である。
その中でミノルは唯一のボーカリストであった。
楽器は何一つたしなむことはなく、ひたすら歌うことを楽しんでいた。
だが、ミノルは部内で孤立。
雑用を主に任されていた。
楽器の準備、片付け、壊れた用具の処理、ミノルが音楽に直接触れる時間はわずかであった。
今日も朝早くから楽器の準備に取りかかるため音が生まれていない学校に登校したのだ。
音楽部の活動場所は1フロア丸ごと。
南側校舎の最上階である四階がそこにあたる。
ちなみに生徒が普段授業を受けるのは北側校舎である。
ミノルは四階と三階を隔てるドアの鍵を開けた。
ドアの鍵は暗証番号式で音楽部の部員しかそれは知らない。
ちなみに349275が暗証番号だ。
由来は349はミュージックかららしいが275については誰も知らない。
楽器ROOMと楽しげに書かれたドアを開け、ミノルは出すのに手間のかかるドラムやティンパニなどの打楽器系、古くて壊れやすいものなどを慎重に扱い、楽器ROOMから10メートルほど離れた演奏ROOMへと運んだ。
演奏ROOMは全部で8つある。
そのうち金管、木管楽器は演奏ROOM(1)、打楽器系は(2)と(3)、弦楽器系は(4)と(5)である。
残りの3つは自由。
セッションなどをする時に顧問に申し出るとそのどれかを使うことができる。
ミノルが歌を歌うのは部員が楽器を取り出したあとの楽器ROOMだった。
だから、ミノルはいつからか楽器の準備、片付けを任されるようになったのだ。
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