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ミノルはほぼ毎日、音楽部の活動がなくても部員の誰かが自主練をする可能性を考慮してこうして楽器を準備していた。
ミノルはドラムを演奏ROOM(3)に運び、丁寧に設置した後、ふと、窓の外を見た。
街が
朝の光で焼かれていく。
そして
建物の窓達はそれを拒むかのように跳ね返し、
ミノルの瞳に輝く宝石の海を見せてくれた。
ミノルは息を飲んでしばらくその光景を眺めていた。
宝石の海の命は刹那的で気づけば、目の前に広がる景色は授業中に眺める淡白なものになっていた。
そして、
ミノルは歌い始めた。
「お~~さすがミノル。もう来てるよ…感心するよ…」
と1人下駄箱で呟いたのはミノルと同じクラスで同じく音楽部所属のケイタだった。
ケイタは小走りでまっすぐ南側校舎四階へと向かった。
ケイタはドラムを中学時代からやりつづけていた。
ミノルが毎日誰も使わないかもしれないドラムを朝早くから用意してるのを知ってたから、ケイタも朝早くからよくドラムを叩きに登校していたのだ。
ケイタが四階の暗証番号を打ちドアを開け、入ってすぐ目の前の演奏ROOM(3)のドアを開けようとした時、
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