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夜の帳を月が照らす
ゆらぐランプに灯る火から
溢れ出す歓喜の中
速くなる胸の鼓動
あなたとの距離が近くなればなるほど
蓮の花が揺れるのさ
リズムに乗って
おどけさせてよ僕を
さぁ夢の中へ
砂漠を歩く
あなたに惹かれたのさ
さぁ踊りあかそう
踊りあかそう
さぁ踊りあかそう
最後のドラムソロは見事なまでに歌詞のとおり、“踊りあかした”。
しばらく空間に残るほのかな重圧感が二人を包んだ。
ミノルは、はっと我に帰って、うろうろとふらつきながらひたすら慌てた。
「いやっあのっ!
ごめんよ!調子に乗りすぎだ!ごめんよ!ごめんよ!」
するとケイタはシンバルを強く叩いた。
ミノルはビクッと驚いて、足も口も止まってケイタを見た。
ケイタは同じくミノルを見て、
大きく笑った。
「楽しかったろ?」
優しい口調の問い掛けにミノルも嬉しそうに大きく笑った。
「うん!
とっても!」
学校のチャイムが8時20分を知らせ、あと20分後の授業の始まりを予告した。
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