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放課後。
学校は一斉に賑やかになる。
広々としたグラウンドでは運動部の活気溢れる声で埋め尽くされて、体育館でのバスケ部やバレー部の独特な掛け声が反響して遠くまでよく聞こえた。
一方、南側校舎四階。
音楽部では活動前の恒例行事のミーティングが行われていた。
演奏ROOMの中で一番広い演奏ROOM(1)で部員がかたまり、座っていて、その前で顧問である
“サヤ先生”が喋っていた。
「えっと、この間のコンクールでフルートの“ミツキ”、バイオリンの“シズ”が見事金賞を取りました!
皆さん拍手!」
そして拍手が起きた。
ミノルもうれしそうに隅で拍手する。
「皆さん!
次のコンクールは3ヶ月後です!
音楽と一体になって自分だけの美しい音色を磨いて次もこれまで同様に賞を独占しにかかりましょう(笑)!」
とサヤ先生が言うと部員達も和やかにクスクス笑った。
「では!各それぞれ自主練開始!もし演奏ROOMを使う時は私に言ってね!」
そして部員達はバラバラに散って行った。
ミノルは楽器ROOMの前で部員達が楽器を出し終わるのを待っていた。
「ミノル!
このメトロノーム壊れてるわよ!」
と、突然ミノルの顔にメトロノームを突きつけてきたのは先ほどフルート金賞で紹介されたミツキだった。
短い黒髪が艶やかに光っていた。
ミノルより一回り小さい背だが、威圧感はミノルの二回りほど勝っていた。
「え…!?
あっごめんよミツキ!(焦)
…じゃあ棚の一番上の新品出して、それ使ってもらえるかな?」
ミノルが壊れたメトロノームを受け取るとミツキはプイッと威風堂々とそのまま自主練へと向かった。
「?…ミツキ!
メトロノームはいいの?!」
ミツキは振り向いて、
「あんたさっきの話聞いてなかったの!?
私は金賞取ったの!だからメトロノームなんてなくても充分テンポは取れるのよ!!」
と言ってどこかへ去ってしまった。
ミノルはそれを聞いてポカンとしたが、すぐに楽器ROOMに入って行った。
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