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ぼくの顔は、特徴がないって、よくいわれる。 そんなことをいわれても困るけど、覚えてもらいにくい顔であるのは、まちがいないみたいだ。 それから多いのが、誰それに似てる、っていわれること。 時々、ほんきで赤の他人とまちがえられる。 高校に入学したてのとき、ぜんぜん知らない奴から頭を叩かれ、 「なんでココにいるんだ?おまえはこっちのガッコに来るんじゃないだろーが、ボケ!」 といわれて、キョトンとしたことがある。 どうやらべつの進路へすすんだ、同じ中学の知りあいの誰かと、まちがえていたらしいけど‥。 あとで、 「おまえソレ、からかわれたんだよ」といったクラスメートもいたが、ホントのところは、どうだったんだろう? コンビニで、アルバイトをしていたとき、 「アナタ○○さんの、おとうとさんでしょ」 と、自信満々にこえをかけてきた、女のひとがいた。 つれの女性と含み笑いをかわしながらだったので、ふざけているのかな、と思った。 ぼくに上の兄姉はいなかったので、いいえ、と答えると、きゅうに関心をなくしたように、彼女たちはそそくさと立ち去った。 こんなふうに、一つひとつの事例はたいしたことじゃないんだけど、なにしろそんなことばかりが、やたらと起こる。 さすがにこれは、自分でも、おかしいな、とおもった。
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