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私の前に立ちはだかった本棚を見てみると、薄汚れたハードカバーの本がびっしりと詰め込まれている。それらは日本のものではないようで、背表紙には長い蛇のような文字が一息に綴られていた。
この本棚あっただろいか、と思ったが、さらに驚くべきは、その本棚の高さである。
見たこともない高さで、視線を這わせていくと、夜空まで届いていた。
もしかしたら成層圏の彼方まで届いているのかも知れない。
夜空では星が瞬いていた。図書館の中には私が手にしている蝋燭の灯りしかなかったので、月のない夜空で燃え盛る星々は眩しかった。
視線を戻してふと、思う。
図書館には天井があったはずだ。あれはどこにいってしまったのだろう。
それに私は蝋燭などいつの間にもっていたのだろうか。
少し不思議に思い手元を見ると、蝋燭などもっていなかった。
辺りは真っ暗になってしまった。
ブレーカーが落ちたのだろうか、と的外れなことを考える。相変わらず星々は燃え盛っていた。
真っ暗だというのに意外と冷静にたたずんでいた。
しばらくすると、近くで灯りが灯った。
突然の明かりに目が暗んだが、慣れると、そこに男が立っていた。
男は私が先ほどまで持っていた蝋燭を持っていた。
どうな蝋燭だったのかまったく覚えていなかったが、そんな気がした。
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