監禁サラリーマン

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季節の変わり目は妙に体調が悪くなる。 白い吐息を吐きながら、僕は暖かいコーヒーを握り締め、家へ帰ろうと、駅に向かっていた。 今日は本当に寒いな。 早く帰って横になりたい。 切符を買い、ホームへ登ると、帰宅ラッシュな時間なだけあって人が多い。 スーツ姿の男性やOLの女性の割合が一番高いが、学生もちらほらと目につく。 プシュゥ…… 電車が来たのはいいが、明らかに満員電車、乗るのを躊躇いたくもなるけど、僕は流れに身を任せて電車の中へと入った。 あぁ、物凄く押される。 まぁいいけど、もうこれ以上は乗れないんだから諦めろよな。 心の中で愚痴をこぼしていると、下を向いているおとなしそうな女子高生が目に映る。
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