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その女子高生の後ろ側には30代ぐらいの男性、僕の勘がここで働く。
どうやら女子高生は痴漢にあっているみたいだ。
それは間違いないのだが、さっきから異様な異臭が僕の鼻を襲っていた。
痴漢をしている男からではない。
この電車の車両に乗っている誰かからなのだが、満員電車で人が多くて特定できない。
とりあえず僕は、痴漢をしている男性の後ろに回り込もうと、人の群れを無理矢理掻き分け、男性の後ろに立った。
やはり、男性の手が少しだけだが、妙な動きをしている。
「やめた方がいい。いずれ自分に返ってくる。必ず。」
僕が男性に小声で言うと、男性の顔が青ざめ、すぐに手が止まった。
そして、次の駅で男性はそそくさと逃げて行った。
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