監禁サラリーマン

3/31

2614人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
その女子高生の後ろ側には30代ぐらいの男性、僕の勘がここで働く。 どうやら女子高生は痴漢にあっているみたいだ。 それは間違いないのだが、さっきから異様な異臭が僕の鼻を襲っていた。 痴漢をしている男からではない。 この電車の車両に乗っている誰かからなのだが、満員電車で人が多くて特定できない。 とりあえず僕は、痴漢をしている男性の後ろに回り込もうと、人の群れを無理矢理掻き分け、男性の後ろに立った。 やはり、男性の手が少しだけだが、妙な動きをしている。 「やめた方がいい。いずれ自分に返ってくる。必ず。」 僕が男性に小声で言うと、男性の顔が青ざめ、すぐに手が止まった。 そして、次の駅で男性はそそくさと逃げて行った。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2614人が本棚に入れています
本棚に追加