包丁×まな板

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昔は、彼は僕のことが嫌いなんだと思っていた 彼は何度も「痛いなら痛いと言え」と行為中聞いてきて、僕はいつも「大丈夫」だと伝えたら、バツの悪そうな顔をしていたから あのとき、彼は僕が「痛い」というのを望んでいると思い、少しプライドもあった僕は一度も痛いとは言わなかった だから…、思い通りにならない僕が嫌いなんだと思っていた 「おい、どうした?傷が痛むか?」 「…ううん、辛かったときのこと考えてただけ」 だけど、今は… 「なら…いいけど、痛いなら痛い言えよ?」 「大丈夫…ねぇ、好きだよ」 「な、んだよ、いきなり。…俺も好き」 すごく愛を感じる それだけで、僕は痛みなんて感じない 寧ろ、躰の傷が愛しく思える
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