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おじさんは下を向いていた 上も下もコンクリートの道の上で 長いトラックのボディーに手をついて 細く傷ついた痕をなぞりながら 黒く冷たいアスファルトをながめてた 通りすがりのおばさんが、心配そうに声をかける 『大丈夫?』 『大丈夫…』 脂汗をかきながら、おじさんはうなだれる 昼下がりの交差点で 道行く人の心配をあつめる
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