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「はぁぁ……」
時間は11時を回ったところ。
他の第一部隊隊員はもう戦場を走り回っているころだろう。
誰かに話しをしたい。
相談に乗ってもらいたい。
励ましてもらいたい。
そんな思いが往来する。
でもそれを、隊長であるわたしが一応部下に相当する隊員にするのは躊躇われた。
わたしがこんな話しをできる人は……。
そう思った時に一人の顔が浮かび上がる。
「辰嵩さん……」
いつも悪ノリでチャラチャラしているけれど、それを意図して作っているキャラだとわたしは知っている。
そして、極東支部最弱のゴッドイーターというのが嘘だということも……。
本当は思慮深く、常にわたし達のことを考えて行動をする縁の下の力持ち。
その実力だってわたしと同等かそれ以上。
思えば隊長に任命されてから、わたしは彼に頼ってばかりだった思う。
第一部隊と無関係な彼には気楽に相談をすることができるというのも大きい。
内容は隊長としての心構え。アラガミとの戦闘における戦術、指揮。
ゴッドイーターとしていつ終わるともしれない戦いに対する不安。
彼はわたしの愚痴にも似た告白を、最後までしっかりと聞いてくれた。
そして、全てに誠実に答えて、励ましと慰めをくれた。
彼はいつも「レイリィと話せるなら大歓迎だ。なんでも話してくれ。いや、話してください」と冗談めかす。
そんなちょっとした配慮がわたしは嬉しかった。
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