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でも、今はそんな頼りになる彼のことが悩みの種だった。
それは、最近の彼がアリサっちに向ける視線。
「だってさ……めちゃくちゃ本気じゃんかよ~」
辰高さんがアリサっちを向ける真剣な眼差しを思い出すと悲しくなる。
涙が流れそうになってレイリィは枕に顔をうずめた。
辰嵩さんがわたしを見る目は信頼。
仲間だったり、親友だったり、たぶんそんな感じ。
でも、アリサっちを見る目は私と違う。
真剣に求めている目。
仲間や親友の先にあるもの……そんな気がした。
アリサっちは一緒に多くの死線を潜り抜けてきた大親友。
綺麗だし、性格も良いし、胸も大きい。
辰嵩さんとアリサっちはきっとお似合いのふたりだと思う。
それに比べてわたしは……子供っぽいといわれる。
アリサっちよりも3歳も年上なのに、わたしが下に見られることだって多い。
身長だってわたしの方が低いし、胸だって……。
「うぅ……」
悲しくなってきた。
なんだってわたしはこんなに貧相なんだろう?
遺伝だとしたら、今は顔さえ覚えていない両親を恨めしく思ってしまう。
せめてわたしがもう少し勇気を持っていれば。
そうすればすぐにでも告白して、スパッと断られて終われるのに……。
以前と同じとまではいかないだろうけど、また任務だけに集中できるのに。
とうとう流れ出した涙と一緒に、終わることのない自問自答を繰り返す。
何度も何度も自分自身を傷つけながら……。
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