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仄暗い通路を走りぬけた先。そこはエイジス島の外部装甲の外側。
崩れてしまったドーム型の建物が地球を喰らうと云われるアラガミ"ノヴァ"の脅威と強大さを物語っていた。
「はぁ……はぁ……」
間に合ったのか?
外からだと何にもないように見えるけど。
第一部隊が交戦しているはずのエイジス島は、思いのほか静かで戦いがすでに終わっているようにも思えた。
――――!!
乾いた風が吹く静かな夜に突如轟音が鳴り響く。
そして、ドームの内部で炎が揺らめいているのが見えた。
あの炎は……アマテラスかっ!
「くそっ」
業火を操るアラガミ"アマテラス"。
その炎に焼かれてしまえば常人なら骨さえ残らないだろう。
戦いは終わっていなかった。
今もまだ彼女たちはあの中で死闘を繰り広げているんだ。
「待ってろよ、すぐに行くから」
ひとり叫び、崩れたドームに走り寄る。
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