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ドームに近づくたびに大きくなる轟音。
それに合わせて気温が高くなっていくのを感じた。
ドームに到着すると今度は人あらざるものの叫び声が聞こえる。
それはアマテラスともう一つ。
辰嵩はドームの外壁をよじ登り、今や灼熱の地獄と化したエイジス島内部を見渡した。
目を引くのは巨大なアラガミであるアマテラス。
その巨体は山のように大きく、炎のように赤く煌く。
そして、アマテラスほどの大きさではないが、人をはるかに超す巨体を誇るスサノオ。
こちらはだいぶダメージを負っているのか体の至る部分が結合崩壊をおこしていた。
炎の揺らめきの中で目を凝らせば、もう一体の異形が空を飛んでいるのが見えた。
そのアラガミは人よりも少し大きい程度ではあるが、レーザーなどの遠距離攻撃でゴッドイーターを追い詰めるアイテール。
どのアラガミも強大な力を有する接触禁忌。
第一部隊の四名は、それら3体を決死の覚悟で相手にしていた。
「アリサっち、コウタの傍で戦って。コウタに攻撃がいったら可能な範囲で防いで。コウタも大きく距離をとって攻撃を当たらないように戦って!」
レイリィが必死に状況を判断し指示を飛ばす。
その体はボロボロで、服は自らの血で赤く染まっていた。
そしてそれは、他の第一部隊のメンバー全員に言えることだった。
一目見ればわかる。
第一部隊は今、風前の灯火のようにその命を散らそうとしている。
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