The third kind contact is tabooed

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声が枯れるほどに叫び続けたレイリィはその後動くことができずに、燃え盛る業火を見つめ続けた。 その無防備な彼女をアラガミは見逃さず、スサノオが神機を振り下ろす。 「ちっ」 刹那、ソーマはレイリィにタックルをするように飛びかかり、その身を自身もろとも吹き飛ばした。 「ソーマ、大丈夫っ!?」 「オレはな……おい、コウタ」 駆け寄るコウタに真剣な目で見つめ、地面に倒れたままのレイリィを放り渡す。 「コイツと、向こうに倒れてるアリサを持って逃げろ」 「え……?」 「このままじゃ全滅だ。お前らだけでも逃げろっ!」 動かないコウタを急かすように、ソーマはその手に持つ純白の神機を大きく振るった。 「うわぁっ」 バスターソードと呼ばれる刀身が一番長い種類の旧型神機。 それを避けるためにコウタは後ろに大きく飛んだ。 「地下道を使え。オレがこいつらを足止めする」 「無茶だよ! ソーマひとりで足止めなんて……」 「そう思うなら早く行けっ!!」 そう叫ぶとソーマはアラガミに向きなおる。 そして、一切の小細工なしに正面から突撃していった。 「っ……レイリィ、行こう」 何の反応も返さないレイリィを抱えて、コウタはソーマとアラガミに背を向ける。 そして、遠く倒れて動かないアリサの元へと走った。 アリサ、無事でいてくれよ。 ボロボロになったアリサの姿を見て、今までの思い出が蘇る。 最初は毒しか吐かなくて。 リンドウさんの事があってからは落ち込んで。 それでも立ち直って今は明るく笑っている。 コウタはそんなアリサにいつの間にか惹かれていた。 ずっと助けられてばかりだったけど、今度は俺がアリサを助ける番だ。 口には出さず、固く心の中で誓う。 アリサに駆け寄り見れば、丸出しの腹部は呼吸で上下をしていた。 「よかった、気を失ってるだけだ……」 コウタはレイリィとは反対側にアリサを担ぐと、振り返ることなくしっかりとした足取りで歩き出す。 ソーマ、お前も絶対に死んだりするなよな。 そう思った刹那、一際大きな怒号が響き渡る。
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