The third kind contact is tabooed

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乾いた風の流れる月夜のドームに、三度アラガミの断末魔が響き渡る。 アラガミと化した辰嵩は、自分以外のアラガミを全て葬り去ると月に向かい吠える。 「ウオオォォォォォッ!!」 アリサは腕に抱いた少女が泣きやんだことを確認し、ゆっくりと身を離した。 「……で、どうするんだ、リーダー」 待っていたように口を開くソーマ。 「いまさら自分だけ残るなんて水臭いことは言わないでよ?」 茶化すようにコウタが続く。 「レイリィさんが望むように命令してください。貴女が私達のリーダーなのですから」 最後に諭すようにアリサが告げた。 「みんな……」 仲間の優しさ、心強さに止まったはずの涙が流れそうになる。 わたしは本当にすごい人たちに巡り合えた。 みんなはよくこの仕事を「くそったれな職場」というけれど、わたしは本当にこの仕事に……ゴッドイーターになれてよかった。 グッと奥歯を噛みしめて、目尻に溜まった涙を手で拭い払い、かけがえのない仲間の顔を見る。 仲間たちの表情には一切の諦めはなくて、ただ自分を信じ付いていくと告げていた。 最後にゆっくりと振り向いて、こちらを伺っている黒いアラガミ……辰嵩を見やる。 「みんな……全員で辰嵩さんを連れて帰る。これは、命令だっ!」 「「「了解!」」」
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