The third kind contact is tabooed

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ふと、目が覚めた。 いや、目が覚めたというよりも『気がついた』という感覚に近い。 砂嵐のテレビ画面を見ていたのに、気がついたら番組が始まっていた。 そんな感覚。 ここは……? まっくらで何も無い空間に、映像だけが映し出されているような不可思議な場所。 スピーカーから流れる音声のように、映像に合わせて音が響き渡る。 まるで、巨大な映画館でひとりで映画を見ているような、そんな錯覚に囚われた。 「へぇ、気がついたのか」 心に沁み込むように、はっきりとした声が聞こえた。 BGMのような周りの音声とは違う。耳に残る不思議な声。 お前、だれだ? 「おいおい。つれないなぁ、トキタカ。いつも一緒に戦ってきただろう?」 なにを言ってんだ? 「まぁ、こうやって話すのは初めてだから仕方ないか。ちょっと待ってろ。すぐに終わる」 言ってる意味がわからん。 なにが終わる? なにをやってる? 「楽しいお食事さ。最高の食べ物を見つけたんだよ。ほら、トキタカだって見えているだろう?」
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