俺と幼い彼女たち

Scene．４ これもまた

「ぜったい、お姉さまを見たら雄一も変わるもん」

俺の言葉を聞いた秋葉ちゃんは、悲しそうな、淋しそうな碧い瞳を俺に向けてそう言った。

「いや、変わらないね。絶対変わらないね。お姉さんを見た後でも、俺は秋葉ちゃんと一緒にいたいと思うね」

俺の思いが伝わらない秋葉ちゃんに向けて、俺は強い口調で返したのである。

秋葉ちゃんの小さな肩を掴み、吸い込まれそうな程綺麗な碧い瞳を真っ直ぐに見つめて。

大人げなく、意地になってしまった。

だけど、その気持ちに嘘はない。

「…………もうやめてよ。わたし、もういやだ」

そんな俺の気持ちは空回りしたのか、秋葉ちゃんは大きな瞳に涙を溢れさせながら、弱々しくそう言ったのだった。