Scene.4 これもまた

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「えっ……!?」 男は秋葉ちゃんを見て言葉を詰まらせた。 目を大きく見開き、本当に驚いているようだ。 「お、お姉様はど、どこにいるですか?お姉様にあわせてほしいです」 言葉を詰まらせる男に秋葉ちゃんは身体をグイッと距離を詰めてそう言った。 緊張しているのだろう、俺の服をぎゅっと掴み、その手を震わせている。 そんな秋葉ちゃんを見てられず、俺は秋葉ちゃんの小さな頭に手を乗せ、男に切り出した。 「俺、能代雄一って言います。急に押し掛けて来て失礼しました。さっき、俺の地元で、と言っても隣街なんですが、秋葉ちゃんがお姉さんに会いに行く途中で道に迷っていたので、秋葉ちゃんからお姉さんの居場所を聞いてここまで連れてきました。もし、迷惑でなければ会わせてあげて貰えないでしょうか?」
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