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男に家の中へと通され、今はリビングに俺と秋葉ちゃんはいる。
「お茶でもどうぞ」
俺と秋葉ちゃんを席に着かせ、少し場を離れていた男がティーポットやティーポットを乗せたトレイを手にリビングへと戻ってきてそう言った後、俺と秋葉ちゃんへとそれぞれお茶を出してくれた。
俺には香のよい、鮮やかな色の紅茶を、秋葉ちゃんにはミルクティーをカップに注ぎ、それを小さな皿に乗せ、ティースプーンを添えて、静かに俺と秋葉ちゃんの前へと差し出してくれたのである。
「いただきます」
俺と秋葉ちゃんはそう言ってカップを手に取り、口につける。
美味い。
控え目な甘さと、茶葉の香が口に広がる。
紅茶の事はよくわからないが、嫌味がなく、凄く飲みやすい。
「……おいしい」
どうやら隣に座る秋葉ちゃんも出された紅茶が気に入ったらしく、小さな手を両方使ってカップを持ち、口を離してそう言うのであった。
「よかった。まりあもそれ大好きなんだよね」
そんな秋葉ちゃんを笑顔で見ながら、男は嬉しそうにそう言うのであった。
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