Scene.4 これもまた

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……聞き覚えのある口調とトーンだな。 玄関から聞こえてきた声にそんな感想を持って、秋葉ちゃんの方を見てみる。 「お、お姉さま」 すると、秋葉ちゃんは玄関の方を向き、緊張した面持ちでそう声を漏らした。 やはりか。 そっくりな姉妹だ。 「能代君、秋葉ちゃん、ごめんよ。まりあが帰ってきたみたいだから、玄関まで出迎えてくるけど、ゆっくりしててくれていいから」 やれやれ……と言った表情を浮かべながら、小鳥遊がそう言って席を立つ。 やれやれと言う割には、少し嬉しそうな感じだ。 「わ、わたしもいっしょにいくです」 そんな小鳥遊に続いて、秋葉ちゃんもそう言いながら席を立つのだった。
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